クルマのトリビアTrivia

HV 車の牽引やバッテリーレスキューについて

20.05.08

教えてくれたのは…

西九州トヨタ自動車株式会社

藤田さん(技術トレーナー)

バッテリー上がりの救援はちょっと待った!HV 車のバッテリーレスキューの落とし穴

HV 車はほかのクルマと違い、牽引やバッテリーレスキューの仕方に注意が必要だという。間違った方法で牽引などをしてしまうとクルマの故障に繋がってしまうので、HV(ハイブリッド)車に乗っている、または、これから乗り換えようとしている人は、以下の記事を要チェック!

まずは、HV 車の正しい牽引の仕方について教えてください。
藤田:最初に HV 車の構造から説明いたします。HV 車はエンジンと電気によって動くモーターの 2 種類を組み合わせて動くクルマです。HV 車特有のモーターは、ガソリン車に例えると、トランスミッション部(エンジンルーム内)に組み込まれていて、発進時や低速走行時に駆動しある程度のスピードに達するとエンジンが始動します。そうすることで、少ないガソリンで走行することができるわけです。
さて、今回の話題で重要なのは、このモーターと牽引方法についてです。レッカー車で牽引する時などは、いくつかの方法がありますよね。車体ごとレッカー車に乗せて牽引する方法(A)、前方または後方の車輪のみ浮かせる方法(B)、前輪も後輪も道路に付けて引っ張る方法(C)などです。
この牽引の仕方で、HV 車に適していないのは(B)と(C)です。
それはなぜですか?
藤田:HV 車は電気によって動くモーターと連動していますので、駆動輪が回るとモーターも同時に駆動します。これにより、モーターが発電されて、故障や破損の恐れがあり、場合によっては火災に及ぶ可能性もあるんです。
ですから、HV 車を牽引する際には、タイヤを回さないように、車体ごと持ち上げて牽引するようにしてください。
次にバッテリーレスキューについてお伺いしますが、その際も HV 車ならではの注意点があるということでしょうか?
藤田:そうなんです。バッテリー上がりが起きた際に、ブースターを使って他のクルマから救援活動を行いますが、HV 車の場合は注意が必要ですので、こちらも牽引同様に心得ておきましょう。

では、実際にどういった点を注意すればよろしいでしょうか?
藤田:簡単に言うと、HV 車のバッテリーの救援端子を使って他のクルマを救援することはできません。
それはなぜなのでしょうか?
藤田:HV 車の救援端子は、クルマを起動するために必要な電流(20〜50A)にだけ設定されています。そこに、バッテリー上がりを起こした他のクルマと救援端子でつなげると、HV 車の救援端子に 100〜600A の電流が流れ、HV 車側のヒューズが切れて走行不能になってしまうのです。
もしどうしても、HV 車を救援に使用しないといけない場合は、救援端子ではなく直接補機バッテリーターミナルと繋げてください。バッテリーの搭載場所は車種により様々ありますが、場所がわかりづらいので、事前に販売店などで確認しておきましょう。
なるほど。逆に HV 車のバッテリーが上がった場合は、どのように救援すればよいでしょうか?
藤田:HV 車のバッテリーが上がってしまった場合は、従来通り、エンジンルームにある救援端子を他のクルマのブースターにつないで救援していただいて大丈夫ですよ。